DOFアダプターMK2取扱説明書

DOFアダプターMK2の構造

DOFアダプターMK2は、片側にバヨネット式マウント、反対側37mm径のスクリューマウントが付いている鏡筒と光学系(フォーカシングスクリーン、コンデンサーレンズ、マクロレンズ)という2部から成る構造になっています。

後部に配置したアクロマートマクロレンズは色収差を極力抑え、スマートフォンのフォーカシングを容易に行うような役割を果たしています。コンデンサーレンズとフォーカシングスクリーンと一体化しているフレネルレンズはケラレと糸巻き型歪曲収差を低減し、全体の光学性能を向上させています。

DOFアダプターMK2の仕組み

DOFアダプターの仕組みは下記の通りです。

バヨネット式マウントに装着されたレンズから入る像はDOFアダプターMK2の中に組み込まれたフォーカシングスクリーンに結像されます。カメラのセンサーにレンズ越しの像が結像されることと同じプロセスです。反対側にあるスマートフォンのカメラでフォーカシングスクリーンに結像された映像をDOFアダプターの後部に配置するマクロレンズ越しに撮影されます。

DOFアダプターMK2の取り付け方

スマートフォンをビーストグリッププロに装着して、カメラレンズにマウントを合わせてください

 

レンズマウントにDOF アダプター MK2をねじ込んでください。

 

レバー (A) を緩めて、バレル (B) を時計回りに回してください。DOFアダプター MK2のスクリーン (C) が水平になっていることを確認し、レバーを締めてください。

DOF アダプターを正常に使用するために、バレル (B) をレリーズピン (D) が写真のようになるよう調整してください。

 

SLRおよびDSLRレンズをDOFアダプター MK2のマウントに装着してください。レンズがカチンと 音がしてはまるまで、しっかりと固定されていることをご確認ください。

オススメのアプリ

DOF アダプターによる映像は逆さまに写ります。映像を反転する機能を備えている下記のアプリのご使用をお勧めします。

まず、はじめに

1)ご使用のアプリを起動し、逆像を正像に反転してください。

2)スマートフォンのフォーカスを固定してください(通常は画面もしくは四角フレームをタップ、長押しします)。

3)ピントが合焦するまでSLR/DSLRレンズのフォーカスリングを回してください。

対応するレンズについて

DOFアダプターMK2の主な目的は使用レンズによって出来上がる浅い被写界深度とボケのある映 像を撮影することです。最高の結果を得るために、下記の条件を満たしているSLR/DSLR&シネマ レンズのご使用をお勧めします。

・明るいレンズ

DOFアダプターMK2は減光しています。よって、F1.2~F2.8の明るいレンズの使用をお勧めします。それより暗いレンズをご使用の場合、スマートフォンのアプリで明るさを調整してください。

・フルサイズ対応のレンズ

DOFアダプターMK2の光学系はフルサイズ対応のレンズに最適化されています。Canon EF-S及び NIKON DXのようなAPS-Cサイズのレンズも使えますが、ケラレが発生するので、ご了承の上ご使用ください。

・マニュアルフォーカスレンズ

カメラに装着せずにフォーカシングが可能なレンズが最適です。CANON STMのように、フォーカスをカメラ側で制御されるレンズはDOFアダプターMK2に対応しません。

対応するレンズマウントについてDOFアダプターMK2はCANON EFマウントのレンズをそのまま装着してご使用できます。他のマウント(例えばNIKON F, NIKON G, PENTAX K, M42)レンズはマウントアダプター各種を別途ご用意の上ご使用ください。

なお、ミラーレスカメラ専用レンズ及びMicro Four Thirds対応のレンズはDOFアダプターMK2には使用できませんので、ご注意ください。

・DOFアダプターは被写界深度を浅くするのを得意とするため、浅い被写界深度によるボケを作り やすい50mm以上の焦点距離のレンズの使用をお勧めします。

 

当社内で検証済みレンズリスト*

 

Samyang

  • XP 14mm F2.4 ED AS UMC Canon EFマウント
  • XP 85mm F1.2 AS UMC Canon EFマウント
  • 12mm F2.8 ED AS NCS Fisheye Canon EFマウント
  • 14mm F2.8 ED AS IF UMC Canon EFマウント
  • 20mm F1.8 ED AS UMC Canon EFマウント
  • 24mm F1.4 ED AS IF UMC Canon EFマウント
  • 35mm F1.4 AS UMC Canon EFマウント
  • 85mm F1.4 AS IF UMC Canon EFマウント
  • 135mm F2.0 ED UMC Canon EFマウント
  • 35mm T1.5 VDSLR AS UMC II Canon EFマウント

 

TOKINA

  • AT-X 16-28 F2.8 PRO FX Canon EFマウント
  • AT-X 17-35 F4 PRO FX Canon EFマウント
  • AT-X 24-70 F2.8 PRO FX Canon EFマウント
  • AT-X M100 AF PRO D Canon EFマウント

* 上記のリストに入っていないレンズは未検証のものであって、DOFアダプターMK2に使えないということではありません。

手入れ

DOFアダプター MK2は手入れが要らないような構造になっています。内部のフォーカシングスク リーンは埃、指紋、衝撃から完全に守られる構造になっています。その上、組み立てはクリーンな環境で行われています。しかし構造上、どうしても微量のゴミが付着することがありますが、不良ではありません。

ご注意:
DOF アダプター MK2の分解や改造、修理は絶対にしないでください。内部の光学部品にダメージを与え、故障、 怪我の原因となります。また、分解によって保障対象外に なりますのでご注意ください。

制限事項

DOFアダプター MK2は映像クリエーターにとって有効な撮影ツールですが、使用上の制限事項があります。

・映像は反転した形で写ります

DOFアダプター MK2による映像は反転しています。映像の反転機能を備えている上記のアプリをお使いください。

・フォーカシングスクリーンのケラレ

28mmかそれ以下の焦点距離に相当する画角のカメラを装備したスマートフォンをご使用の場合、DOFアダプター MK2のフォーカシングスクリーンにより左右わずかにケラレが発生します。ポストプロダクションのトリミングを行うか、アプリのデジタルズーミング機能を使って、映像を全画面になるように調整してください。高解像度撮影モードの際にトリミングによる画質低下はほとんどありません。

・周辺減光

DOFアダプター MK2を通る光はおよそ20%ロスします。最高のパフォーマンスが得られるため に、十分に明るい環境下での撮影をお勧めします。

・リング状の模様

DOFアダプター MK2に使われているフォーカシングスクリーンの両面には、光を分散してくれる非常に小さい溝が刻まれています。光学的に重要な役割を担う形状です。しかし、光の特定条件に よって、もしくはご使用のレンズのF値によって、この溝はわずかにリング状の模様として見え、映像に映る場合があります。最高のパフォーマンスを得るために明るいレンズを使って、絞りを解放にしたままで明るい環境下での撮影をお勧めします。